赤城牛に辿り着いた経緯
皆さんこんにちは。THE ROAST BEEFの肉探しの旅人兼、商品開発の担当兼、代表をしている平川歩夢です。
世界一アガるローストビーフを作ろう!そんな熱々なブランドを作ろうと、僕らのブランド作りは始まりました。そのためには「もっと美味しいお肉を探そう!探し続けよう!」
そんなビジョンのもと2021年6月から、僕は日本国内を旅しています。
そこで、一つの答えが出ました。
「もっと美味しくなる」を追求した一つの答えが、今回採用した「赤城牛」に肉を変えた訳です。
でも、これが最終ゴールではない。だから楽しすぎてやめられないローストビーフ作り。
今回は赤城牛に辿り着いた理由を、3つのポイントに絞ってお伝えします。
1)【味】赤身の旨味と、脂のキレ
2)【想い】生産者の顔が見える仕事がしたい
3)【科学】5000頭の分析データに勝るものなし
1)【味】赤身の旨味と、脂のキレ
世界一のローストビーフを作るために、全国の畜産農家を回りながら、ローストビーフに最適な牛肉を探して回りました。今回採用したのは赤身の美味さと、脂の質を追求した牛肉。その名も「赤城牛」です。赤城山麓に広がる豊かな森、利根川水系の清らかな水、澄んだ空気で育った赤城牛。土地の特徴でもある寒暖差の激しい四季は牛を健康に育て、美味しいお肉が出来上がる最良の環境です。
その中でも、肉質が柔らかい牝牛限定で、更に熟成を3週間かけたこだわりの牛肉にこだわって商品を作ることを決めました。牝牛の脂肪には不飽和脂肪酸が多く含まれているため、脂の融点が低く、口に入れた瞬間に上質な脂が溶け出します。
食べた後も油っぽさが残らず、キレの良い食べ応えが味わえるんです。
熟成に関しても3週間という期間にした理由は、実験を重ねた結果、この期間熟成した肉は旨味が最大限引き出されることがわかりました。ローストビーフで食べる最良の熟成期間をおいて仕上げられたお肉です。
肉を赤城牛に変えることで、肉の加熱の温度や加熱時間、商品開発を一からやり直しました。
味はもちろんですが、肉の柔らかさも、また一段と柔らかく仕上げることができました。
味、旨味、キレ、柔らかさ、全てをグレードアップした、まさに何枚でも食べれる渾身のローストビーフです。
2)【想い】生産者の顔が見える仕事がしたい
昨今の新型コロナウイルスによるパンデミックや、不安定な世界情勢のなか、お客様に自信を持って届けられる商品を作り続けるには、可能な限り国産の原材料を使用しよう!と思ったことがきっかけです。
牛に関しては和牛や国産牛と言っても様々な品種の牛が全国で育てられています。
品種だけでなく、育てられている場所でも肉の味が全て変わるものだと信じ、我々は全国の畜産農家を旅して回りました。そこで牛は基本、仔牛を買って、最終的に育った場所の産地の名前がつくことを知りました。
産地の違う「〇〇牛」と「△△牛」と2種の牛肉があったとしても、元々兄弟で、同じ場所で生まれた同じ種の牛なんてことはざらにあります。
スーパーや焼肉屋さんで販売しているお肉なども「〇〇牛!」や「〇〇産!」などと唱っているものが多いですが、その文言自体に、だから美味しいとか、だから違いがある!という保証はどこにもなかったんですよね。
では、何を信じれば良いのか?
信頼できるのは生産者、つまり人しかいないというという事。
全国を回っている中で、牛を健康に育てることに知恵を絞り、牛の美味しさとは何か?ということに信念や考えがあって牛を育てている方々にお会いしました。この方々と一緒に商品作りをしたいと思ったことが、まずは生産者の顔が見える国産の牛肉を取り扱おうと思ったきっかけです。
3)【科学】5000頭の分析データに勝るものなし
全国の美味しいお肉を探す旅「アゲカツジャーニー」を1年間続けて、一人の熱いお肉変態に出会いました。
その名も鳥山真さん。赤城牛を生産管理している鳥山畜産食品の社長。
牛肉の美味しさを遺伝子から研究している方です。
「牛肉は従来からの格付けによる評価基準だけでなく、味わいについての特徴を評価する指針が必要だ!」と語り、それを行動で示している、めちゃくちゃかっこいい大人です。
「格付けA5」の牛肉を育てれば、確かに高く販売できるシステムが現在日本にはあります。
でも、「A5だから美味しいの?」
これを考える人は意外と少ない。
鳥山さんは、肉の美味しさを、過去20年分約5000頭の牛の個体情報を詳細に記録した生産カルテデータを保有していて、科学的に分析し、なぜ美味しいのか?なぜ美味しくないのか?
その中で美味しく無くなる原因を解明し、データを基にした“はずれの牛肉”を作らない生産体制をチームで運営しています。
チームでは生産者同士の情報共有を大事にしていて、みんなで“はずれない牛肉”の生産を目指している姿勢にも惚れ込みました。
具体的な内容で言うと、脂肪に関してはオレイン酸と不飽和脂肪酸含有量を測定し、赤身のうまみは、人工味覚センサーで測定した分析データを取得しながら研究しています。
特に分析もせずA5の肉を作るために、無理やり牛を太らせて、ビタミン欠乏をさせて、失明してしまう牛を育てている畜産農家も世の中にはたくさんあります。
そんな中で、科学的な根拠を作りながら、美味しい牛肉を生産している鳥山さんに出会えたことは、僕らのブランドにとっても、これからのブランドのあり方についても大きな気づきをもらった素晴らしい機会になりました。
僕たちは、ローストビーフの美味しさの理由を、根拠を基に語れるブランド作りをしていきます。